貿易問題

 

日本経済新聞より引用

 

 

トランプ氏、日米貿易協議「新合意なければ大問題」 f:id:fxkira:20181001220314j:plain

 

【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は7日、日本との貿易協議について「(新しい)合意に達しなければ日本は大変な問題になると認識している」と述べた。米国が今後の協議で自由貿易協定(FTA)の締結や農業分野の市場開放などを強硬に求める可能性が高まってきた。

 

 

 

 

 

  「ついに来たか」という感じである。どうやら日本もトランプ大統領のターゲットになったようである。これ以前も匂わせるような発言は時々あったが、ここまではっきりと日本との経済関係について言及したのは初めてだ。協議は当初21日に予定されていたが、延期となり24日に行われるようである。そうして日米首脳会談はNYで25日に行われるため、この二日間で市場に対してなんらかのアナウンスがあるのかもしれない。  

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現在、市場はこの事項を織り込んでいるとは言えない。日経平均株価アメリカ株の高騰に連れられる形で、半年近くに渡ったレンジを勢いよくブレイクし、年初の高値である24000円台に向けて驀進している。ドル円も112円台と比較的高値で安定している。何故かリスクオンのムードが市場を覆っているのである。エスカレートしていく中国との貿易問題を始めとして、今回の件に限らず悪材料は山ほどあるし、既に低金利バブルは最終局面に差し掛かっているが(これには違う見方もあるのだろうが、多くの識者はこの株価を行き過ぎだと見ている)株価は高止まりしたままだ。つまりこのリスクオンはまやかしであり、恐らく投機筋が決算日に向けて最後の力を振り絞っているのだろう。そしてそのような動きは、俗に言う「市場の歪み」となり、歪みは早晩修正される。

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現在の相場は高く積み上がったジェンガのようなもので、そこら中に穴が空いているように見える。辛うじてバランスを保っているように見えても、何か一つきっかけがあればあっさり崩壊してしまうだろう。そしてそのきっかけが今回の日米貿易協議に現れる可能性は必ずしも否定できない。世界的な崩壊が起こるかは定かではないが、日本絡み(日経、ドル円)の商品は、これを機に資金の引き上げが一旦起こるかもしれない。

 

 

 

 

 

国の成り立ちからして、日本はアメリカに逆らう事が出来ないのは周知の事実である。少し政治的な話になるが、安倍総理が所属(今は脱会中らしいが)する清和会は、伝統的に対米追従の方針を第一としている(だからこそ・・・なのかもしれないが)つまりトランプ大統領の要求にNOとは口が裂けても言えない立場なのである。そうしてこの大統領は、時にとんでもない要求をして来そうな雰囲気に満ち溢れている。

 

 

 

 

為替関係者の間では時折「現在、あるいは近い将来、為替に関するアメリカとの密約はあるのか」という議論が行われている。まあ多かれ少なかれ密約的な何かはあるのだろうが、例えばその論説の根拠である一ドル120円台は、日本が自主的に天井と定めている(日銀と政府間での密約的な何かとは言えるが)ように見えるので密約かどうかは微妙である。とはいえ何らかの密約は既にあるだろう。そうして密約は密約にしておかなければならない理由があるはずなので、為替について今回の協議と首脳会談で特別おおっぴらに言及されることはないと私は考えている。確かにFTAの締結となれば、為替条項は出来るだろうが、これは半分口約束みたいなもの(通貨安誘導の禁止は、FTAが無くとも暗黙の了解みたいなものである)なので、恐らく本丸は別にあるのだろう。緩和政策もそろそろ出口が見え始めているのなら、なおさらである。

 

 

 

今後のドル円相場だが、ファンダメンタルズを考慮して私は円高方面だと見ている。テクニカル的には直近高値である113.17付近を大きく超える可能性は低いだろう。また113円ジャストには大量の売りオーダーが出ているため、ここも中々超えていくのは大変に思える。

 

とはいえ、貿易戦争等の動きを見てリスクオフに賭けたショートのポジションがかなり残っているので、しばらくは底堅さもあるだろう。何かしらきっかけがあれば一気に100円台を目指す可能性もありそうだが、安易に長期で売ると火傷しそうだ。また米長期金利が3パーセントを超えて来たのも重要な材料である。 f:id:fxkira:20181001220616j:plain

 

月足での三角保ち合いは完全に煮詰まって来たが、果たしてどちらに吹っ飛ぶのだろうか。恐らく今年中には答えが出るだろう。特に今月は重要な位置にまあまあの陽線が出来ているのだが、これがヒゲになれば非常に面白いことになるだろう。個人的には今のぬるま湯のような動きは落ち着いていて好きなのだが、ドル円相場におけるボラティリティの拡大は間近に迫っている。来たるべき時に向けて戦略を練っておく必要があるだろう。